パチンコ・パチスロ遊技障害 研究成果 最終報告書より 第7章 予防や早期介入のために

パチンコ・パチスロ遊技障害 研究成果 最終報告書より http://www.syaanken.or.jp/wp-content/uploads/2021/03/202103_pp01.pdf

第7章 予防や早期介入のために

本3 Ⅰ 「遊技障害のおそれのある人」と臨床例等との乖離と予防について
第7章Ⅰでは、全国調査で明らかとなった「遊技障害のおそれのある人々」の実態と、一般の方々や遊技産業関係者が抱くであろう、「パチンコ・パチスロによるギャンブル等依存症を経験している人々」のイメージの乖離について論じる。そして、全国調査で明らかになるレベルでの「遊技障害のおそれ」を予防するにあたっては、「自由に遊べる時間で遊びましょう」といった健全遊技の推進が重要であることを指摘する。

本3 1. 「遊技障害のおそれがある人」と臨床事例等は乖離しており、それぞれの量的把握を混同してはならないが、全国調査レベルでの「遊技障害のそれがある人」への、またはそれより健全なレベルの遊技者への予防対策は必要

以下の引用は文部科学省が平成31年3月に出した「『ギャンブル等依存症』を予防するために 生徒の心と体を守るための指導参考資料」に記載されている久里浜医療センターの統計と、ギャンブル等依存症になった大学生の体験談である。


(文部科学省, 2019: 8より再引用)
※図表注記に2013年3月~6月とあるが、実際は2013年6月~2015年12月である。

【ギャンブル依存体験談】
ギャンブル等依存症になった大学生の体験談
大学生になり友達に誘われ、何の気なしに始めたのがパチンコです。最初は、付き合い程度、気晴らし程度の金額で、生活に影響はありませんでした。ところが次第に、自分で最初に決めた金額 や時間内で止められなくなり、あっという間にコントロールを失ってしまいました。今思えば、始めてからわずか半年程度だったと思います。小遣いやバイト代は、全てパチンコに消え、やがてそれだけでは足らず、友達や当時付き合っていた彼女にも借金をして迷惑をかけてしまいました。親にも何度も借金の肩代わりをしてもらい、「これが最後だ」としかられ、「二度とパチンコはやらない」と誓約書を書きました。そのたびに、自分自身も「こんなことじゃいけない。しっかりしなくては」 と思うのですが、気が付くと「迷惑をかけた人に借金を返さなくては。そのために一発当てなくては」 と考えてしまい、またパチンコに行くという悪循環から抜け出せなくなっていました。
あっという間に自分の人生を一変させてしまうギャンブル。手を出すことは簡単ですが、一度依存症になると回復までの道は決してたやすくはなく、沢山のものを失います。そのことをみんなに 知ってもらいたいと思っています。(K)
(出典:「知ろう!ギャンブル依存症」 発行:ギャンブル依存症を考える会)
(文部科学省, 2019: 8より再引用)

「やめたくてもやめられない」「借金を繰り返す」「その累積は数百万にも」。一般の方々や遊技産業関係者が抱く、「パチンコ・パチスロによるギャンブル等依存症の人々」のイメージは、マスコミ等での紹介がそうであったように、この統計や事例に近いものと思われる。もしこのイメージに近しい人々が、久里浜医療センター調査でいえば0.8%(文部科学省, 2019)、われわれの全国調査では40万人(全国調査遊技状況論文)いるのだとすれば由々しき事態で、ギャンブル等依存症対策推進基本計画の順守はもちろん、さらに強力な遊技障害対策が必須であろう。
しかし、実態はどうやら違う。久里浜医療センターを受診した人の借金総額の中央値は400万円、初診時借金中央値は62.5万円だが、われわれの全国調査では、「遊技障害のおそれのある人」で借金が300万を超えた人は0人(約1.9万人以下と推定)、借金中央値は10万円以下であり、引用の久里浜医療センターでのデータと大きく乖離していた(債務整理体験論文)。市中データと来院データが異なることは医療情報では常識であり、ここで追認されたわけだ。
また、「遊技障害のおそれのある人」の実像を、遊技障害尺度短縮版(短縮版論文)への回答でみれば、以下の太字の選択で「遊技障害のおそれ」が認められることになる。

① 過去1年間、私はパチンコ・パチスロのことがいつも気になって仕方がなかった。
あてはまらない(1点)、どちらかといえばあてはまらない(2点)、どちらかといえばあてはまる(3点)、あてはまる(4点)
② 過去1年間、パチンコ・パチスロは、ストレスから逃れるために私にとってなくてはならないものだった。
あてはまらない(1点)、どちらかといえばあてはまらない(2点)、どちらかといえばあてはまる(3点)、あてはまる(4点)
③ 過去1年間、私はもっとお金を得たいと思うあまりに、パチンコ・パチスロに使う金額が増えてきた。
あてはまらない(1点)、どちらかといえばあてはまらない(2点)、どちらかといえばあてはまる(3点)、あてはまる(4点)
④ 過去1年間、パチンコ・パチスロを打つ回数を減らしたら、私は気持ちが落ち着かなくなった。
あてはまらない(1点)、どちらかといえばあてはまらない(2点)、どちらかといえばあてはまる(3点)、あてはまる(4点)
⑤ 過去1年間、私自身のパチンコ・パチスロによる負けや借金を隠すために、うそをついたことがあった。
まったくない(1点)、ほとんどない(2点)、時々ある(3点)、よくある(4点)
⑥ 過去1年間、私はパチンコ・パチスロを打つことによって、経済的な困難におちいり、お金を出してくれるように頼ったことがあった。
まったくない(1点)、ほとんどない(2点)、時々ある(3点)、よくある(4点)

「パチンコ・パチスロによる負けや借金を隠すためにうそをついたことがほとんどなく」「お金を出してくれるよう頼んだことがほとんどない」という、医療現場の統計や体験談と比べれば、それほど不健全とは思えないレベルでも「遊技障害のおそれのある人」と認められてしまう。だから、医療現場の統計や流布される体験談が全国調査での「遊技障害のおそれ」と同一であるかのような議論は慎まなければいけない。この点を踏まえた報道が必要だし、誤認を誘導するような言説には業界として修正を求めていく姿勢が必要だ。
しかし、その一方で、遊技障害問題が世の中のイメージほど大規模なものではないからといって、遊技産業関係者はあまり気にしなくていい、軽く見ていい、と理解するとすれば、それは誤りだ。この全国調査レベルでの「遊技障害のおそれ」が、現状では、世界でのギャンブリング障害についての議論の水準だからだ。短縮版で示した程度の「おそれ」もしくはもっと「健全」なレベルから、ギャンブリング障害対策、遊技障害予防対策が必要だから論じている、というのが、世界水準での理解だと認識すべきである。

本3 2. 「遊技障害のおそれ」のデータから導かれるのは予防対策であり、その中核は「自由に遊べる時間で遊びましょう」

では全国調査での「遊技障害のおそれ」レベルのリスクを下げるのに関連する要因は何か。
有意差が認められた項目を列挙すると、「結婚経験(あり)」「離婚経験(あり)」「配偶者との同居(なし)」「祖父母との同居(あり)」「世帯収入(低い)」「現在のギャンブルによる借金(ある)」「パチンコ・パチスロによる債務整理体験の有無(ある)」「ストレス解消行動で家族と過ごす(しない)」「ストレス解消行動でパチンコ・パチスロをする(する)」「最高使用額(高い)」「使う金額の上限を決めている(いない)」「勝ち負けにかかわらず、考えている金額の負けていても上限に達したら遊技を控える(控えない)」「自由時間以外しない(する)」「時間が来たらやめる(やめない)」「遊技頻度(多い)」「1日の遊技時間(長い)」「月の平均使用額(遊技での)(多い)」「月の平均負け額(遊技での)(多い)」「パチンコ・パチスロ比重(パチスロが多い)」「1年以上前に比べてパチンコ・パチスロをする時間(増えた)」「1年以上前に比べてパチンコ・パチスロのために使うお金(増えた)」であった。しばしばギャンブルリング障害との関連が指摘される「性別」「年代」「居住地域」「学歴」「遊技開始年齢」「低価格台比重」「いきつけの店舗数」「いきつけの店舗までの時間」などでは有意差が認められなかった。
 有意差が認められた項目のうち、効果量を示すVやrで0.2以上と小さくはなく、遊技障害のおそれとの関連が比較的強い項目として、「パチンコ・パチスロによる債務整理体験の有無」「現在のギャンブルによる借金」「負けていても勝ち負けにかかわらず、考えている金額の上限に達したら遊技を控える」「自由時間以外しない」「月の平均負け額」の5つがあがった。つまり、これ以外の項目は効果量がそれほど大きくなく、影響は相対的に小さいと考えられるので、この5項目を使って遊技障害のうたがいのリスク、具体的にはPPDS得点(パチンコ・パチスロ遊技障害うたがい尺度得点)を予測することを考えた。
ところで、遊技障害のおそれとの関連が比較的強い五5項目のうち「パチンコ・パチスロによる債務整理体験の有無」はすでに起こってしまっている出来事であり、未来に向けて予防的に介入することができない。そこで、「債務整理体験の有無」でプレイヤーをわけ、PPDS得点(遊技障害尺度得点)の推測式を作った(債務整理体験論文)。

封筒2 1) 債務整理体験のないおよそ1,000万人のプレイヤーでのPPDS得点推測式

PPDS得点=51-6.5×(自由時間だけする)-2.2×(上限に達したら控える)+1.3×(月の負け額:万円)+0.1×(借金額:万円)

「ギャンブリングによる借金額」および「月の平均負け額」は万円単位で代入し、「勝ち負けにかかわらず、考えている金額の上限に達したら遊技を控える」「自由時間以外遊技をしない」は「いつも」を2点、「ときどき」を1点、「そうでない」を0点とする。すると、いつも自由時間だけで遊技をしていたら、6.5×2点=13点が基礎点51点から引かれ、計算上、ほぼ遊技障害のおそれは生じない。
ホール等では「自由に遊べる時間で遊びましょう」という呼びかけをいかにプレイヤーに届けるかが最も優先すべき課題であり、遊技量(使用額、頻度、時間)の制限以上に大事な課題であることが示唆される。未発表であるが会員カードデータで遊技量をほぼ把握した研究でも、遊技頻度、時間、負け額の遊技障害のおそれへの寄与は大きくはなく、健全な遊技を行っているかどうかの影響が圧倒的であった。
さて、「自由に遊べる時間で遊びましょう」が最も大事なメッセージだ、と述べると、「それができないから依存症」「依存症を理解していない」といった意見が出る。しかし、それは間違いである。実際、全国調査での遊技障害のおそれがある人々の「自由時間以外遊技をしない」の中央値は「いつも」である。反対意見がとらえるような強迫的レベルの遊技障害のおそれのある人々は、全国調査での遊技障害のおそれのある人々の平均像とはかけ離れている。世界的に見ても、Inability to Stop gambling(ギャンブリング行動を自分で止めることが出来ないという認識)が強いほど再発しやすいことが報告されており(Mallorquí-Bagué N, et al, 2019)、強迫性を想定しないギャンブリング障害のおそれのある人々の方が一般的とみてよい。

封筒2 2) 債務整理体験のあるおよそ36万人でのPPDS得点推測式

PPDS得点=61-11×(上限に達したら控える)+1.4×(月の負け額:万円)

債務整理体験があると基礎点がすでに61点で遊技障害のおそれのリスクは極めて高くなる。それでも「上限を決め、上限に達したら遊技を控える」ことを「いつも」していれば22点が減じられリスクは低減する。
現在、パチンコ・パチスロ店で導入がすすめられている、遊技額や回数等の上限を設定する自己申告プログラムは、特に債務整理体験のあるプレイヤーに勧めるべき仕組みと考えられる。しかし、この人数は遊技障害のおそれのある人々の数よりはるかに少ないと推測され、債務整理を体験した人々には遊技をご遠慮願うという選択も考慮すべきであろう。

本3 3. 「楽しい遊技」は「遊技障害のおそれ」に直結しない
冒頭に紹介した大学生の体験談には、「最初は、付き合い程度、気晴らし程度の金額で、生活に影響はありませんでした。ところが次第に、自分で最初に決めた金額や時間内でやめられなくなり、あっという間にコントロールを失ってしまいました」とある。また、「指導参考資料」(文部科学省, 2019)には以下の記載があり、遊技による報酬系(ドーパミン神経系)の活動の繰り返しが「遊技障害のおそれ」に直結する、コントロール喪失に直結するかのように理解されやすい。

やめられなくなる脳の仕組み
脳には、美味しいものを食べる、試験に合格するなどによって快感や幸せを感じる機能があります。 これは、行動嗜癖が生まれるプロセスに重要な役割を果たしています。
ギャンブル等を行ったり、依存物質を摂取したりすることにより、脳内でドーパミンという神経伝達物質が分泌されます。ドーパミンが脳内に放出されることで中枢神経が興奮して快感・多幸感が得られます。この感覚を脳が「報酬(ごほうび)」と認識すると、その報酬(ごほうび)を求める回路 が脳内にできあがります。
しかし、その行為が繰り返されると次第に「報酬(ごほうび)」回路の機能が低下していき、「快感・ 喜び」を感じにくくなります。そのため、以前と同じ快感を得ようとして、依存物質の使用量が増えたり、行動がエスカレートしたりしていきます。また、脳の思考や創造性を担う部位(前頭前野)の機能が低下し、自分の意思でコントロールすることが困難になります。特に子供は前頭前野が十分に発達していないため、嗜癖行動にのめり込む危険性が高いといわれています。
(文部科学省, 2019: 5より再引用)

遊技による報酬系(ドーパミン神経系)の活動の繰り返し、つまりは「楽しさ」の繰り返しが依存(行動嗜癖)に直結するとすれば、「自由に遊べる時間で遊びましょう」などと言うメッセージは、いずれは依存(行動嗜癖・遊技障害)に結びつくプロセスを先延ばしするだけの欺瞞になる。 
果たしてそうだろうか。われわれの調査(債務整理体験論文)では、遊技の開始や継続にかかわる要因と、プレイヤーに遊技障害のおそれが生じる要因は相対的に独立だ。たとえば、諸外国の研究でギャンブリング障害の要因としてしばしば指摘される「男であること」「若いこと」「学歴が低いこと」は、遊技障害をもたらすことにかかわる要因ではなく、男であることは遊技への参加要因であり、若いことや学歴が低いことは遊技の継続要因であった。
つまり遊技の継続に寄与する要因が、遊技障害のおそれを誘発する要因と一致するとは限らず、遊技の継続に報酬系の活動が重要な役割を果たすにしても、そのことが遊技障害のおそれに直結するとはかぎらない。「楽しさ」が遊技の継続に寄与するとしても、遊技障害のおそれに必ずしも直結するわけではない。
だから「自由に遊べる時間で遊びましょう」というメッセージは有効でありうるし、実際、そうしている健全なプレイヤーが圧倒的だ。遊技障害のおそれをグループ分けしたパスウェイ・モデルを見ても、ただ単にギャンブリングの快感を追い求めることで遊技障害のおそれとなる群(単純な快感条件付け群)は比較的リスクが低い(subtype論文)。
「やめられなくなる脳の仕組み」での報酬系の仕組みは「やる気」の仕組みでもある。仕事、学習、リハビリ等で報酬系の働きなくしては、その継続もパフォーマンスの向上も困難だ(Sawada M., et al, 2015)。そして、仕事、学習、リハビリ等での重要な課題は、初期のやる気(報酬系の予測的活動)が「慣れ」によって逓減してしまうのをいかに抑えるかである。遊技による報酬系(ドーパミン神経系)の活動の繰り返しが「遊技障害のおそれ」に直結するかのような説明は、行動嗜癖に関連する脳の仕組みの、あまり主要ではない部分を説明しているに過ぎないのかもしれない。この仕組みを加速する個体側の要因が欠落しているのかもしれない。
それはたとえば、ADHD傾向などの発達問題であったり、不安の強さや衝動性の強さなどの神経症傾向であったり、非協調性であったり、認知の歪みであったり、両価性であったり、ギャンブリング障害の遺伝要因が50%程度であることを考慮すると(Slutske, et. al., 2010)、少なくとも単純な快感条件付けに、個体要因の影響を加えないと行動嗜癖の説明モデルにはなりえないのではないか。
もしそうならば、いかに高リスク群を特定し、高リスク群に健全遊技の必要性を伝えるメッセージを届けるか、その仕組みの構築が重要だ。実際、「指導参考資料」(文部科学省, 2019)の監修者の一人は、行動嗜癖のひとつゲーム障害の原因に関して、以下のように記載している(松崎・樋口, 2020)。

…… 一方、個人の内的要因としては、自己抑制や判断能力の欠如、自己評価や自己肯定感の低さ、社会的な孤立、人間関係の希薄さ、ゲーム以外に興味がない、等が指摘されている(Bernardi, S et al 2009, Han, D.H, 2011, King, D.L, 2014))。多くの縦断的研究からは、衝動性、神経症的な傾向が強い性向、孤独感、精神疾患としてADHD、うつ病、不安障害などの合併が、ゲームへの依存の背景にある可能性が指摘されている((Männikkö, N, 2015, Rehbein, F, 2010))。衝動性がコントロールできなければ、ゲームによって深刻な影響が出ていたとしても、ゲームに対する渇望をコントロールすることは困難であるし、現実世界の好まざる問題から目をそむけるために、現実逃避としてゲームに浸ることもあるだろう。一方、防御要因としては、社会的能力や自尊心の高さ((Chen, K.H, 2018))、学校における幸福度の高さ((Rehbein, F, 2013))、行動をよく制御できていること((Haagsma, M.C, 2013))等が指摘されている。

 「楽しさ」が遊技障害のおそれに直結するわけではない。

本3 4. 高齢低価格台遊技者を守ろう
本研究会の秋山らの研究で、パチンコ・パチスロをよくプレイ遊技するが(遊技頻度が多く、遊技時間が長いが)、PPDS得点が比較的低い人の特徴が明らかになった(障害になりにくい人論文)。高参加・低障害のプレイヤーは、60代で多く、政令市に少なく人口15万人未満の都市に多かった。また低価格台を多く利用しているという特徴もあった。地方都市在住で、定年後低価格台で回数多く長時間遊んでいる人たちは、そもそもの遊技障害のおそれが生じるリスクが低く、遊技時間への心配などは自己調整でき、余計なお世話であるのかもしれない。
ギャンブル等依存症についての報道の中で、こうしたプレイヤーが「あんなに足しげくパチンコ屋に通っていれば依存症だ」などいわれのない指摘を受けたり、肩身の狭い思いをしていたりするのだとすれば、その誤解をとき心地よく、前述したように両価性を抱えることなくプレイしてもらえるよう世論に働きかけることも遊技業界の責務だろう。

本3 5. ギャンブル等依存症対策推進基本計画をいかに生かしていくべきか
現在、遊技業界はギャンブル等依存症対策推進基本計画に基づき、「新たに広告宣伝に関する指針を作成、公表。注意喚起標語の大きさや時間を確保」「通年、普及啓発活動を実施するとともに、啓発週間に新大学生・新社会人を対象とした啓発を実施」「自己申告プログラムの周知徹底・本人同意のない家族申告による入店制限の導入」「自己申告・家族申告プログラムに関し、顔認証システムの活用に係るモデル事業等の取組を検討」「18歳未満の可能性がある者に対する身分証明書による年齢確認を原則化」「施設内・営業所内のATM等の撤去等」「出玉規制を強化した遊技機の普及、出玉情報等を容易に確認できる遊技機の開発・導入」「自助グループをはじめとする民間団体等に対する経済的支援」「依存問題対策要綱の整備、対策の実施状況を毎年度公表 」「第三者機関による立入検査の実施」「「安心パチンコ・パチスロアドバイザー」による対策の強化」「相談データの分析によるギャンブル等依存症問題の実態把握」を実施または着手している。
今後、この基本計画をより実効性のあるものとしていくべく、横断的な全国調査のみならず、横断調査では推定できない因果関係を探るため、ADHD傾向、不安傾向、性格、認知の歪み、健全遊技行動、広告接触、遊技台の射幸性、遊技量等と、遊技障害のおそれについて、個人を繰り返し測定する縦断調査が各種実行され続けていくべくきであろう。その一部は当財団でも実行されているし、業界団体や関連企業などでも実行中、企画中であったりもする。遊技業界は、そうした研究を推し進め、その成果を生かした科学的、実証的な遊技障害対策を強力に推進していくべきであろう。
(篠原菊紀・西村直之・河本泰信)

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