集中力についてあれこれ聞かれ・・・
・集中力の差は、生まれつきの特性によるものなのか。
○○に与える遺伝要因の影響は行動遺伝学などで調べられます。集中力なら一卵性双生児と二卵性双生児で集中力測定を行いその一致率から推定します。しかし、集中力をターゲットにした研究は行われていませんし、どのテストを使うかで差が出ることが予測されます。とはいえ、性格や行動特性の50%程度は遺伝要因で説明されますから、その程度の影響はあると考えるのが妥当だと思います。集中しやすさに近いフロー傾向は、誠実性や開放性とかかわることが報告されています。
あらゆるこころの動きには遺伝子の影響がある
(遺伝の普遍性)
家族が似ているのは環境を共有するからではない
(共有環境の希少性)
環境の影響は家族でも一人ひとりみんなちがう
(非共有環境の優位性)
「行動遺伝学の3原則」(Turkheimer, 2000)
・先生の著書より不注意傾向、過集中傾向が紹介されていたが、他にもタイプはあるのか。
不注意傾向はADHD傾向、過集中傾向は自閉スペクトラム傾向からの区分けです。そもそも集中力という言葉は認知科学ではあまり使われず、注意力で、注意力は選択的注意、分散的注意、注意の持続に分けることができるので、それぞれの組み合わせでタイプというか、それぞれの要素の得点の組み合わせなどを作るとこはできます。
・子どもの時のタイプは成長につれて変わるものなのか。
遺伝要因の影響率も年齢によって変わってくることが知られています。環境要因の影響もありますから変わります。が、タイプを変えようというのは無理が多く、おすすめしません。
・なぜメタ認知化が集中力アップにつながるのか。
ある集中力テスト(認知機能テスト一般も)の成績は繰り返すとアップします。しかし、それが日常生活や学習上の集中力に反映するかはまちまちです。脳は領域固有的に学習してしまうからです。なので、集中力テストでの頭の使い方、集中力アップの感覚を学習場面でも重ね合わせるといったメタ化が行われないと、般化がおきません。
・未就学児~小学校低学年くらいまでにオススメのメタ認知化(=集中力アップ)の方法は。
遊びでも、運動でも、学習でも、集中していそうに見えるときにほめ、「集中する」ということを教える。学習でも運動でも遊びでもONOFF訓練をする(何かをするときに「心をこめる」「集中する」などのワードで切り替えを行う。「抜く」「脱力する」「流す」も)。選択的注意や、注意の持続が必要な課題を行い、その頑張りを褒める。こういう課題でもONOFFを。
・なぜストレスを下げることが集中力アップにつながるのか。
集中しているときの脳活動では余計な脳部位の活動が低下します。リラックスすることでそういう脳状態が作りやすくなります。
○○に与える遺伝要因の影響は行動遺伝学などで調べられます。集中力なら一卵性双生児と二卵性双生児で集中力測定を行いその一致率から推定します。しかし、集中力をターゲットにした研究は行われていませんし、どのテストを使うかで差が出ることが予測されます。とはいえ、性格や行動特性の50%程度は遺伝要因で説明されますから、その程度の影響はあると考えるのが妥当だと思います。集中しやすさに近いフロー傾向は、誠実性や開放性とかかわることが報告されています。
あらゆるこころの動きには遺伝子の影響がある
(遺伝の普遍性)
家族が似ているのは環境を共有するからではない
(共有環境の希少性)
環境の影響は家族でも一人ひとりみんなちがう
(非共有環境の優位性)
「行動遺伝学の3原則」(Turkheimer, 2000)
・先生の著書より不注意傾向、過集中傾向が紹介されていたが、他にもタイプはあるのか。
不注意傾向はADHD傾向、過集中傾向は自閉スペクトラム傾向からの区分けです。そもそも集中力という言葉は認知科学ではあまり使われず、注意力で、注意力は選択的注意、分散的注意、注意の持続に分けることができるので、それぞれの組み合わせでタイプというか、それぞれの要素の得点の組み合わせなどを作るとこはできます。
・子どもの時のタイプは成長につれて変わるものなのか。
遺伝要因の影響率も年齢によって変わってくることが知られています。環境要因の影響もありますから変わります。が、タイプを変えようというのは無理が多く、おすすめしません。
・なぜメタ認知化が集中力アップにつながるのか。
ある集中力テスト(認知機能テスト一般も)の成績は繰り返すとアップします。しかし、それが日常生活や学習上の集中力に反映するかはまちまちです。脳は領域固有的に学習してしまうからです。なので、集中力テストでの頭の使い方、集中力アップの感覚を学習場面でも重ね合わせるといったメタ化が行われないと、般化がおきません。
・未就学児~小学校低学年くらいまでにオススメのメタ認知化(=集中力アップ)の方法は。
遊びでも、運動でも、学習でも、集中していそうに見えるときにほめ、「集中する」ということを教える。学習でも運動でも遊びでもONOFF訓練をする(何かをするときに「心をこめる」「集中する」などのワードで切り替えを行う。「抜く」「脱力する」「流す」も)。選択的注意や、注意の持続が必要な課題を行い、その頑張りを褒める。こういう課題でもONOFFを。
・なぜストレスを下げることが集中力アップにつながるのか。
集中しているときの脳活動では余計な脳部位の活動が低下します。リラックスすることでそういう脳状態が作りやすくなります。
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