頭に血を集めると、怒った気持ちになれると思って逆立ちをしたのですが、気持ちが変わりませんでした。どうしてですか?

なるほど、カーっとなったとき、怒った時、頭に血が上るっていうもんね。
じゃ、頭に血を集めれば、怒った気持ちになるのかなあ、と思うもんね。
でも実験の通り、逆立ちで血を頭に集めても怒った気持にはならないんだよね。これが。その実験、正しいんだよね。
どうしてかというと、怒った気持ちになる時には、脳の奥にある偏桃体というところが活発に働いている。耳の奥の方に、左右にひとつづつ、小指の先ぐらいの大きさのやつ。
で、逆立ちで頭の方に血液を集めても、この偏桃体の怒りに関係するところは活発に働くわけじゃないだね。だから、頭に血を集めても、怒った気分にはなれないんだ。
いいかな。
偏桃体の怒りに関係するところが、活発に働くと、怒っていると感じになる。これにともなって、頭に血が上ることもあるけど、頭に血を集めても、偏桃体の怒りに関係するネットワークは活発に働かないから、怒った気持ちになれないということね。

じゃ、もう少し、説明させてね。偏桃体以外の。
誰の脳にも偏桃体があります。耳の奥の方に、左右にひとつづつ、小指の先ぐらいのが、記憶に関係する海馬のちょいっと前あたりにあります。だから、嫌なこととか、怒ったこととかは覚えていやすい。。
怒りに関係する回路が興奮すると、視床下部室傍核⇒下垂体⇒副腎皮質が働いて、コルチゾールというストレス物質、体を活発に動かす物質でもあれけどこれを出します。それから、室傍核⇒延髄、自律神経⇒副腎髄質が働いてノルアドレナリンを分泌させます。これらが、末梢、手足とか指先とかの血管を縮め、脳や筋肉に血液を集中させます。闘ったり、逃げ出したりする準備だね。このとき、消化に関係する胃の働きを低下させます。脳の血流量が増える。顔の筋肉、頬などが赤くなることも起きる。ここは筋肉だからね。
それで、怒ると頭に血が上るっていうんだろうね。もっとも、怒ると顔が青ざめる人もいて、これは頬ふくめて血管を収縮させてるんだろうね。

さて最後に、余計な話だけど、人にストレスをかけて、悪口なんかも言って、言われている人の脳の表面の活動を調べたことがあるの。そうすると、がまんに関係する、右のオデコのあたりの脳、前頭回というんだけど、ここが活性化する。
ちょっと面白いのは、我慢できなくなって怒り出した時。この時には、前頭回の活動が一気に低下するの。がまんが切れる、堪忍袋の緒が切れたってやつ。
あれだね。
今度、本当に頭にきたとき、ちょっと右のこめかみのちょっと前くらいを抑えて、おお、がんばってるな。ありがとう。とかいうと、我慢する力が余計につくかも知らんよ。
へんなまとめですけど。

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