アルコールやら

ビールなどアルコールを摂取することは、脳にとってどのような影響があるのでしょうか?
個人的な経験だと、ある程度飲むと饒舌になるので頭の回転も早まるような感覚になりますが、ピークを越えると極端に頭のパフォーマンスが落ち、眠くなる一方です。

即時の影響: アルコールを飲むと、最初に気分が良くなり、抑制が少なくなる。これは、アルコールが脳のGABA (γ-アミノ酪酸) レセプターを刺激し、抑制性の神経伝達物質の働きを強めるため。
特に創造性の向上を示す研究がいくつかあります。

Benedek, M., Panzierer, L., Jauk, E., & Neubauer, A. C. (2017). Creativity on tap? Effects of alcohol intoxication on creative cognition. Consciousness and Cognition, 56, 128-134.
この研究では、アルコールが創造的な問題解決にどのように影響するかを調査しています。結果としては、アルコール摂取後の参加者は、アルコールを摂取していない参加者と比べて、リモートアソシエーションテストでより多くの正解を出し、クリエイティブな思考が一時的に向上することが示されました。

Sayette, M. A., Reichle, E. D., & Schooler, J. W. (2009). Lost in the sauce: The effects of alcohol on mind wandering. Psychological Science, 20(6), 747-752.
この研究はアルコールが心の放浪(mind-wandering)にどのように影響するかを調査しています。心の放浪とは、人が特定のタスクに集中している時でも、自分の心が他の思考に移動する現象を指します。この研究では、アルコール摂取後の参加者は、アルコールを摂取していない参加者に比べて、心の放浪が増えることが示されました。これは、アルコールがリラクゼーションを促し、一時的に自由な思考を促進する可能性があることを示唆しています。

一方で、大量に飲むと、記憶力や意識の明瞭さが低下し、調整能力や反応時間が遅くなる可能性があります。
以前、ゲームをしながら飲酒する実験をした。本人は成績がよくなっていると言っているが飲酒量の増加につれて大幅低下。おそらく帯状皮質の活動低下が、自己モニター力(自分を客観視する力)の低下を招いた。結果、運転ウマい、車ボロボロ。頭の回転がよくなる、実際はパフォーマンスが低下している。などが生じる。
ノンアルコールとの比較でも差がみられた。同じように盛り上がれるが、隙間ができた時、ノンアルだとがやがやが止まる。

睡眠:入眠剤としては優れているが、中途覚醒が増える。睡眠持続剤としてはダメ。GABAによる抑制が取れると覚醒してしまう。

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