手元を見なくてもゲームができるのはなぜ

あなたの頭の後ろの方、その下側に「小脳」というところがあります。野菜のカリフラワーみたいな形していて、小さいけどしわが多くて、そのしわがきれいに並んでるの。場所とか、形とか、一回、ネットとかで調べてみるといいよ。
さて、この「しょうのう」、小さい脳と書くけど、その上にのってる「大脳」、大きい脳より7,8倍もの神経細胞があるの。神経細胞は、頭の中でつながりをつくる細胞ね。それがだいたい700億くらい。世界の人口の10倍くらいかな。それがあなたの頭の後ろの下の方に、たくさん、ぎゅっとつまって、きれいに並んでるのね。
そこにね、あなたのその小脳にね、ゲームを始めたころは、コントロールを目で見ながら動かすつながり、仕組みができるのね。で、この時、指の感覚、今コントローラーのどのボタンを押しているかとか、そういう感覚ともその仕組みはつながりをつくっているのね。
それが練習を重ねるうちに、コントローラーをいちいち見なくても、画面からの情報と、指先の感覚だけでコントローラーが動かせるようなつながりができていく。ぎこちなくて、あんまり上手でない動きなら小脳を使わなくてもできるけど、スムーズでなめらから、上手な動きでは、この小脳の
パソコンをキーボードで動かしている人は、手元見なくてもキーが打てる人がいるけど、それとだいたい同じね。目はテレビを見ているのにコントローラーを動かせるのは、あなたの脳にそういうことができるつながりができあがっているからだね。

そういう、あなたの脳の中にできあがって、どんどん進化していく仕組みを「内部モデル」といいます。内部って脳の中。モデルってそういう仕組みのことね。その仕組みがね、あなたくんの練習の繰り返しで、どんどん洗練されてね。あ、洗練て、よりうまく、より整理されたってことだね。洗練されていまにいたっている。もっと練習するともっとすごいモデルがあなたの脳に獲得されていく。

歩いたり、走ったりするよね。
そのとき、見なくても歩けるし、ぼんやりしてても歩けるよね。今は右足を30センチ前に出して、同時に左足を床をけって、それを交互にとか、いちいち確かめていないよね。でも確かめていなくても、勝手に歩けるし、走れるよね。命令している感じがなくても、ちゃんと命令して、その結果も予測しながら動かしてる。
これも前に見える画像と体の位置感覚と足の感覚とかを結び付ける仕組みがあって、それがうまくできているから足を見なくても、歩いたり、走ったりもできるのね。これ、あかちゃんのときのハイハイとか、タッチ、立ち上がってみることね。そういうのを繰り返しながら、あなたの脳が学習した結果なのね。ロボットも走ったりできるようになってきたけど、ロボットよりすごい仕組みがあなたのなかにもうできているわけね。

何か好きなスポーツある?
あるんなら、まずはしっかりみること。まずは手元とか、見るべき目標とか、しっかり見ることを意識してね。それで、しっかりした仕組みを脳に作っていく。そして繰り返すことで見なくてもできるようになっていく。ノールックパスとかね。
見てやる⇒見なくても感覚でできる、は上手になる基本だよ。
このとき、上手な人のプレーを見ることもだいじ。脳の中にいいモデルを作っていくことに役立つよ。

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