いじめの遺伝的研究（双生児研究）

Veldkamp SAM, Boomsma DI, de Zeeuw EL, van Beijsterveldt CEM, Bartels M, Dolan CV, van Bergen E. Genetic and Environmental Influences on Different Forms of Bullying Perpetration, Bullying Victimization, and Their Co-occurrence. Behav Genet. 2019 Sep;49(5):432-443.
　いじめを、言葉によるもの、体に対するもの、無視など関係性に関するものに分けて、遺伝的な影響を検討。
　小学校の教師が、いじめ加害といじめ被害について8215人の双子の子どもを評価した。
　34％の子供がいじめっ子、被害者、またはその両方であった。いじめっ子であることと被害者であることの相関は0.59（関係性）から0.85（身体的）で、いじめっ子はまたいじめられっ子になることが相当にあることが示された。
　遺伝率は加害で約70％、被害で約65％であり、女児と男児で同様であったが、関係性のいじめでは両者ともやや低かった。
　共有環境の影響は10％くらい、非共有環境は2，30％であった。
　従来から指摘されているように、いじめやすい、いじめられやすい子どもへの対処と、家庭外環境の調整が重要と思われる。