麻雀と認知機能メモ 子どもも高齢者も軽度認知障害を伴う人も認知機能が改善するっぽい

Higashijima T, Akimoto T, Sakata K. Effect of Mahjong on children's intelligence quotient. Front Psychol. 2022 Sep 26;13:934453. doi: 10.3389/fpsyg.2022.934453. PMID: 36225701; PMCID: PMC9549265.
本研究では、3人または4人で行うテーブルゲームであり、知的活動を伴う麻雀が、子どもの知能指数(IQ)に及ぼす影響を調査した。対象は6歳から15歳の子どもで、子ども麻雀教室入会直後と入会1年後に、Wechsler Intelligence Scale for Children Fourth Edition (WISC-IV)を用いてIQを評価した。分析には20人の子どもが含まれた。初回評価時の平均年齢は9歳6ヵ月であった。さらに、1年後の検査も行った。この集団のIQの変化を、年齢範囲と検査-再検査間隔が類似した過去の対照集団のIQと比較した。初回検査時と1年後検査時の20人の小児の総合IQの平均値はそれぞれ106.05と113.75であり、統計的に有意な増加を示した(p < 0.01)。下位尺度指数によると、言語理解指数(VCI)と処理速度指数(PSI)は、それぞれ100.6点から106.75点、108.05点から119.05点へと統計的に有意な増加を示した(p<0.01)。分析対象となった子どもたちのPSIは、過去の対照群と比べて統計的に有意な増加を示した。本研究は、幼少期に麻雀教室に参加した子どもは、WISC-IVのPSIスコアが上昇することを示唆している。

Ding M, Ouyang H, Zhang C, Jiang L, Zhuang R, Dong X, Chen X, Yang H, Tao Q. Mahjong Playing and Leisure Physical Activity Alleviate Cognitive Symptoms in Older Community Residents. J Aging Phys Act. 2022 Feb 1;30(1):89-97. doi: 10.1123/japa.2020-0383. Epub 2021 Aug 13. PMID: 34388703.
余暇活動、特に身体的・認知的に刺激的な余暇活動は、認知機能の低下を緩和する。本研究では、麻雀、余暇身体活動、軽度認知障害(MCI)の関係を検討することを目的とした。MCIの有無にかかわらず高齢者を対象とした(n=489、健常者群、n=187、MCI群)。回帰の結果、麻雀のプレイ年数(オッズ比=0.595、95%信頼区間[0.376、0.961]、p=0.032)および身体活動(オッズ比=0.572、95%信頼区間[0.381、0.849]、p=0.012)は、一連の共変量で調整した後、MCIを有するオッズの減少と関連していた。余暇の身体活動と麻雀は相互に作用し、MCI発症のオッズに複合的な効果をもたらした。認知的介入と身体的介入を組み合わせることで、どちらか一方のみの介入よりも認知に対してより大きな効果が得られる可能性がある。

Zhang H, Peng Y, Li C, Lan H, Xing G, Chen Z, Zhang B. Playing Mahjong for 12 Weeks Improved Executive Function in Elderly People With Mild Cognitive Impairment: A Study of Implications for TBI-Induced Cognitive Deficits. Front Neurol. 2020 Mar 27;11:178. doi: 10.3389/fneur.2020.00178. PMID: 32292385; PMCID: PMC7120035.
背景 軽度認知障害(MCI)は高齢者に多くみられる。これまでのところ、MCIに伴う認知機能低下を安定化させたり、逆転させたりする効果的な治療法は見つかっていない。最近の研究では、麻雀が高齢者の注意力や記憶力を改善することが示唆されている。しかし、実行機能に対する麻雀の効果は不明である。方法:南中第一養護老人ホームのMCI高齢者56名(74.3±4.3歳)を麻雀群と対照群に無作為に割り付けた(各群N=28)。麻雀群では週3回、12週間麻雀を行い、対照群では通常の日常生活を送った。実行機能は、試験前と麻雀実施6週間後、12週間後に、モントリオール認知アセスメント(MoCA-B)、シェイプトレイルテスト(STT)、機能活動質問票(FAQ)を用いて評価された。結果 2群間でMoCA-B、STT、FAQの得点にベースラインの差はなかった。しかし、MoCA-B、STT、FAQの得点は麻雀群で有意に改善したが、12週間の麻雀投与後には対照群では改善しなかった。STT得点とFAQ得点の間にも有意な相関がみられた。結論 麻雀を12週間行うことで、MCIの高齢者の実行機能が改善した。麻雀は簡単で低コストの娯楽活動であるため、外傷性脳損傷者を含むMCI患者の認知機能低下の進行を遅らせたり、逆転させたりするために広く応用できる可能性がある。

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