なぜ疲れたりいやなことがあるとため息をつくのですか

人は、なぜ疲れたり嫌なことがあったりするとため息をつくのでしょうか？
また、人間以外の動物、例えば猿や犬や猫などもため息をついたりするのでしょうか？

なるほど、面白い質問ですね。
たとえば、ベルギーの健康心理学者の研究では、いい感じの画像といやな感じの画像を見せるときに、ため息をついてもらっています。すると、安心感が高まったそうです。不安を感じやすい人では筋肉の緊張も緩んだそうです。
彼女らはストレスをかけたり、ずっと計算をさせたりすると、ため息が増えることも確かめています。彼女らは、ため息はこころや体の緊張や不安をリセットをする役目があると主張しています。

さて、動物がため息をつくかどうかだけど、つきます。この場合、「ため息」は、深い呼吸、と定義されていて、動物でも観察されます。だから、どういう体や脳の仕組みで「ため息」が起きるのかは、マウスで調べられています。
たとえば、去年発表されたミシガン大の研究では、酸素が足りなくなると、ため息が増え、ため息によって、酸素飽和度（血液の中の酸素の量）が増えることを示しています。それには脳幹の延髄の背側にある孤束路核がかかわっていて、そこに存在するガストリン放出ペプチド（Grp）発現ニューロンが、ため息を生み出しているんだそうです。ガストリンは胃から放出されるホルモンで、胃酸の分泌を促しますが、その放出を促す神経細胞がため息にもかかわっているようです。
この研究では低酸素状態ではため息が増える他、呼吸数も増すことを報告していて、心臓のドキドキまたはため息が、低酸素状態から体えお回復させる手段になっているとしています。

ま、難しいことを言ったけど、ため息はつかれたり、嫌なことがあったり、こころやからだに負担がかかった時に、からだやこころをリセットするために体が自然に行うことということだね。
だから、こころや体が疲れたときに、意図的に深呼吸とか、ため息とかするといいかもね。ため息は吐く息を長くするので副交感神経と言って、心やからだをリラックスさせる神経も働くようになるし。ため息つくと「幸せが逃げる」、とか言われるけど、逆かも知らんですね。