あと一歩問題 山雅を例に

サッカーの松本山雅FCが、あと一歩というところでJ2昇格を逃しました。プレーオフ準決勝、このまま守り切れれば山雅が昇格という中で、何と後半アディショナルタイムで失点し、昇格が手のひらからこぼれ落ちました。
山雅の選手も何人かは引き続き来季も山雅でプレーするはずですが、このようにあまりにも惜しい結果で涙を飲んだ場合、それはどのくらい次への力になるのか?
逆に燃え尽き症候群になることは無いのか?

一般的には「やればできる」「才能じゃない努力だ」などと、いわゆる成長マインドセットを持っている人は「くやしさ」がばねになり上を見て努力していけます。脳でいえば前部帯状回などでの自己モニターが「やる気」(線条体の活性化)につながっていきやすい人です。
一方「固定マインドセット」といって、「能力や知性は生まれつき固定されており、努力によって大きく変化しない」という考え方を特徴とします。そのため失敗や困難に直面したとき、固定的マインドセットを持つ人は能力不足や素質の限界と捉えやすく、自分の可能性を閉ざしてしまう傾向があります。こちらは自己モニターが島皮質などでのコストの過大視につながります。

一方で、山雅はJ3リーグ戦終盤は破竹の5連勝でプレーオフ進出を果たしました。
これはリバウンドメンタリティとは逆で、好調が好調を呼んだ側面もあるかとおもいますが、好調で気持ちが上がっているときと、逆境をバネに頑張ろうとすることでは、どちらの方が人(脳)はパフォーマンスを発揮するのか?

好調で気分が高揚している状態では、脳内報酬系が活性化し、ドーパミン分泌が増えやすく、柔軟で広がりのある思考が促進されます。これにより発想力が高まり、複数の選択肢を検討しやすく、問題解決や創造的な業務に有利です。局面打開のアイデアが浮かびやすくなります
逆境、悔しさ、焦りなどのややネガティブな心理状態は、コルチゾールやアドレナリンなどのストレスホルモン分泌を増加させ、身体・脳を緊張状態へ導きます。短期的にはこのストレス反応が集中力や注意力を高め、「今すぐ何とかしなければ」という切迫感が行動エネルギーとなり得ます。スポーツなど瞬発的な力が求められる場面や、迫られた決断が必要な局面では、この一種の「危機モード」が瞬時のパフォーマンス向上を促すことがあります。

熱烈と呼ばれる山雅サポーターたちは、あのような昇格の逃し方で、引き続き強く応援しようと思うのか、それとももう離れてしまうのか、

推しの逆境は、一般により強い結束性や、応援を生みます。離れる人はいるとは思いますが、J3でも応援している熱烈サポーターはその程度では離れないと思います。ドーパミンは快感の予測で活性化しますが、勝率4割あれば予測の快が2倍くらいにはなるので。中日ファンとか、と、中部地方のテレビでしゃべりました

この記事へのコメント