どうして人は何かを思い出そうとする時に、上を向くの?

どうして人は何かを思い出そうとする時に、上を向くの?

そうだね~、たしかにテストの時とか、上を見たりするような気がするよね
神経言語プログラミング(NLP)法というカウンセリングの理論のようなものがあって、これだと、
左上を見る場合:過去の視覚的な記憶を思い出そうとしている。
右上を見る場合:新しいイメージを創造しようとしている。
横を見る → 聴覚的な情報 
下を見る → 感情や内的な感覚
などと説明されています。
そういわれればそうかな、と思えなくもないですが、この理論を実証するような研究はほぼありません。
一方で、いくつかの研究から、視覚的なイメージを思い出そうとする時には、視線を固定するより、自由に動かせるようにした方が、思い出しやすいことは示されています。だから、テストの時とか、じっとテスト用紙を見ているよりは、違うところを見たほうが思い出しやすいということはあるかもしれません。「上」を見るのは、違うところを見る一つの方法かもしれないですね。
また、視覚的なイメージを思い出すとき、実際にその場面を見ている時と同じような視線になりやすいことも知られているので、多くの人はその知識を覚えたときのように、テスト用紙に向かいやすいのかもしれないですね。
 さて、思い出すとき上を見る話はあまり実証的とは言えないですが、身体の状態が心に影響を与える例はたくさん知られています。実証的に示されています。
・温かい飲み物を手に持つと、他者に対して温かく親しみやすい印象を抱きやすくなる。
・冷たい飲み物を持つと、孤独感や疎外感を感じやすくなる。
・重いもの(例えば重い本や金属の板)を持つと、物事の重要性をより重く感じる。
・軽い物を持つと、課題や状況を「軽く」「楽観的に」捉える傾向がある。
・柔らかいクッションや毛布に触れると、優しさや穏やかさを感じやすくなる。
・硬い椅子に座ると、他者との交渉でより厳格になったり、冷たい金属に触れると心理的な距離を感じやすくなる。
 実際の温かさは心の温かさに、重さは重大さに、柔らかさはこころの柔らかさに通じるようです。実際の温かさ、おもさ、柔らかさの判断の仕組みは、心の判断でも使っているという解釈もあります。
 ほかにも、高い場所に立つと、視野が広がる感覚とともに「自分の考えも広がった」と感じやすくなる。背筋を伸ばして立つと自信を感じやすくなり、逆に丸まった姿勢では不安やネガティブな気持ちが増える。小さな痛み(冷たい氷を握る、軽くつねるなど)を感じると、他者の痛みに共感しやすくなる。笑顔を作ると実際に楽しい気分になり、眉間にシワを寄せるとストレスや不快感を感じやすくなる。
 なんてのもあります。

この記事へのコメント