他人のお寿司がおいしそうに見える

他の人が頼んだものの方が、おいしそうに見えたり、自分の選んだものがみすぼらしく見えたりするのは、わたしたちは他者の判断によって、自分の判断を証明してもらっているからです。こういうのを「社会的証明」といいます。
わたしたちはたいして容量のないワーキングメモリを使って、判断しているので、他者によってその判断を証明してもらってようやくほっとするのです。
加えて、わたしたちのは「損失忌避性」といって、失ったものを課題評価する傾向があります。得た1万円より、失った1万円の方が大きく感じます。だから、流れていったお寿司、自分が取らなかったお寿司が、より大きな損失として感じやすいのです。「選択の後悔」といいます。
そして他人の手にある寿司が、唯一の選択であり、希少なものに思えます。他人のうまそうな食べ方が、よりドーパミン系を刺激して、他者の手にある希少なものに感じます。わたしたちの脳にはミラーニューロンによって相手の動作や意図を写し取る仕組みがあります。
前頭前野 「どの寿司が良さそうか」価値判断をする
側坐核 「食べたい!」という報酬系を刺激
扁桃体 他人の寿司に対する感情の処理(羨望・嫉妬)
帯状回 他人の選択と自分の選択を比較
島皮質 視覚情報から「おいしそう」と感じ、食欲が湧く
視覚野 視覚情報を処理し、魅力的に見せる

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