脳の老化にかかわる遺伝子、それをおぎないそうな物質

UK Biobankの3万人弱(29,097人)のMRI情報を利用してAI技術の1つ3D-ViTが脳年齢をより正確に推定しうることを確認しました。脳年齢加速兆候はレンズ核と内包後脚に特に表れやすかった。レンズ核は注意や作業記憶などの認知機能に携わり、内包後脚は大脳皮質の様々な領域と繋がっています。脳年齢のぶれと関連する遺伝子64個が見つかり、そのうちの7つは脳の老化の原因として最も確からしいと示唆されました。薬やサプリメントの13種がそれら7つの遺伝子に対して抗老化作用を発揮しうることが判明。ビタミンD不足に使われるサプリメントのコレカルシフェロール、抗炎症薬のジクロフェナク、オメガ3脂肪酸のドコサヘキサエン酸(doconexent)、ホルモン補充療法に使われるエストロゲンの類いのエストラジオール、湿疹治療によく使われるヒドロコルチゾン、降圧薬のメカミラミン、ニコチン、閉経女性の性交時の膣痛(性交痛)を緩和するプラステロン(prasterone)、赤ワインに含まれることで有名なレスベラトロール、免疫抑制に使われるsirolimus(シロリムス)、テストステロンがそれら13種に含まれます。サプリメントとして売られているケルセチン(quercetin)と白血病治療に使われる経口薬dasatinib(ダサチニブ)も含まれます。ダサチニブとケルセチンは老化細胞を除去しうることが知られています。
https://science.org/doi/10.1126/sciadv.adr3757

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