ドーパミンだいじ

依存話が出てくると、まことしやかに、ドーパミンが脳を壊すかのような表現がそこかしこから出てきます。アホかと思いますが、↓はドーパミンがアルツハイマー病に深くかかわるタウたんぱくの凝集を防ぐというもの。以前からドーパミンが認知機能の低下を防ぐいうるという報告はありましたが、今回は違った角度から。

ドーパミン(DA)は重要な神経伝達物質で、酸化されると「ドーパミン化(dopamination)」という化学反応を起こし、タンパク質の特定の部分に結合して機能を変えてしまうことがあります。これまでにも個々のタンパク質のドーパミン化は研究されていましたが、今回はドーパミン化を網羅的かつ定量的に調べる新しい方法を開発しました。
その結果、6,000以上のドーパミン化の場所(部位)が特定され、特に敏感な63か所の影響度(IC50値)も測定されました。その中でも、Tauタンパク質の2つのシステイン残基のドーパミン化が注目され、これがTauの異常な凝集(アミロイド化)を防ぎ、微小管の形成を助けることがわかりました。
さらに、マウスの脳でも自然なドーパミン化Tauが確認され、ドーパミンには脳内でTauの機能を調節する保護的な役割があることが示されました。
https://nature.com/articles/s41589-025-01849-9

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