ごく初歩的なドーパミン話、やたらに依存症とか依存症疑いとかいうとウソになるという話
ごくごく初歩的な話としても、ドーパミンの受容体にはD1群とD2群があり、D1群はおおむね促進的に働き、D2群は抑制的に働く。D2群は自己受容体として働くからだ。自己受容体はシナプス全細胞にあって、シナプス間隙に放出されたドーパミンを回収することで、シナプス間隙のドーパミン量を減らす。このおかげで、線条体では、報酬の確率分布が計算できる。報酬予測(わくわく)も報酬予測誤差(がっかり)も計算できる。だから、たんにドーパミンを快感とか言ったってあんまり意味はない。まして脳がドーパミン漬けになって・・・などと表現しても意味はない。だいたい初期にはドーパミン≒快感、といって研究してきたが、いまでは動機づけや学習の効率化の側面が強調されている。ドーパミンは快感、そのドーパミンを浴びすぎると、脳が壊れ、いわゆる依存症になる、なんて、しょうもない説明はやめたほうがいい。そういう誤解を世の中に広めること、とくに小中高に広める害悪はよろしくない。だいたい、いわゆる依存症(ギャンブル、ゲームなど行動系の)は2022年以降、WHOのよってその必須診断基準が厳格化され、そんじょそこらでは「いわゆる依存症(~~障害)」と呼んではいけない。
「ギャンブルやゲームの依存症がWHOに認定された病気だ」というとき、その必須診断基準が2022年2月以降定められ厳格化されたことは知っておこう。世の中に流布しているチェックリストに引っかかるレベルでは「依存症」とは到底言えず、病気ではない健康問題としての「危ない遊び方(hazaordous ~ing)」と呼ぶべき。
必須診断基準の概略は以下。①~のコントロールができない②~の優先順位が日常のだいじな事項を上回るほど上がる③生活上の良くない出来事が起きているのに継続拡大、この①~③のすべてが基本的に一年以上そろい、かつ、生活の重要な領域における重大な障害や顕著な苦痛が生じている場合に、ギャンブリング障害、ゲーミング障害(いわゆる依存症)と呼ぶ。世の中に出回っている「依存疑い」の数字は、すべてこの基準には当てはまっていない
「ギャンブルやゲームの依存症がWHOに認定された病気だ」というとき、その必須診断基準が2022年2月以降定められ厳格化されたことは知っておこう。世の中に流布しているチェックリストに引っかかるレベルでは「依存症」とは到底言えず、病気ではない健康問題としての「危ない遊び方(hazaordous ~ing)」と呼ぶべき。
必須診断基準の概略は以下。①~のコントロールができない②~の優先順位が日常のだいじな事項を上回るほど上がる③生活上の良くない出来事が起きているのに継続拡大、この①~③のすべてが基本的に一年以上そろい、かつ、生活の重要な領域における重大な障害や顕著な苦痛が生じている場合に、ギャンブリング障害、ゲーミング障害(いわゆる依存症)と呼ぶ。世の中に出回っている「依存疑い」の数字は、すべてこの基準には当てはまっていない
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