お母さんやお父さんは朝起きたばかりの時、あまりしゃべらなかったり、機嫌がよくありません。僕はそんなことがないのに、どうしてでしょうか。

朝すきっと起きられるんだね。うらやましいなあ。おじさんもあんまり朝に強い方じゃないし、今、貧血気味なんで、あたまがすっきりするのに時間がかかるから、本当にうらやましい。
さて、どうしておとうさんやおかあさんが、朝起きたばかりの時、あまりしゃべらなかったり、機嫌がよくなかったりするかですが、人の体や脳は、起きてすぐに「スイッチが完全にオン」になるわけではないからです。
睡眠中は脳や体の活動が低くなっていて、朝に向けて例えばコルチゾールの量が増えていって、活動できるようにしていきます。でも、特に大人は起きてから完全に頭が働くまでに時間がかかってしまいます。これを「睡眠慣性(すいみんかんせい)」といいます。起きてしばらくは頭がぼんやりして、反応が鈍くなったり気分が不安定になりやすいのですね。
特に影響を受けやすいのが「前頭前野」というおでこのあたりの脳です。ここは、「計画」「判断」「集中」「感情のコントロール」などを担当する場所です。ここの働きは計算課題や記憶課題、あるいはボタンを押す反応速度を測るテストで調べられますが、おきたばかりだと反応に時間がかかったり、正解率が悪くなったりします。ここの血流を調べても起床直後は血流が低く、時間がたつにつれ回復し、30分以内にはだいたい回復します。また脳波を調べてもしばらくは深い眠りにかかわるデルタ波が残り、徐々に消えていきます。
だから、朝起きたばかりの時は、あまりしゃべらなかったり、機嫌がよくなかったりするんですね。機嫌が悪そうに見えるのは、単にまだ頭がはっきりしていなくて、しゃべる元気が出ていないだけのことも多いわけです。また、大人は仕事や予定のことを朝すぐに思い出してしまって、気持ちが少し重くなる場合もあります。だから、必ずしも「本当に怒っている」とか「不機嫌」というわけではなく、「エンジンがまだかかっていない」だけ、ということがよくあります。
 特に寝不足とか、深い眠りのときに起きてしまうと、睡眠慣性が出やすくなります。
 大人は子どもに比べて、睡眠の質が悪くなりやすく、深い眠りが断片的になりやすいため、だんだん眠りが浅くなり起きるというのではなく、深い眠りからいきなり起こされやすい。また、ストレスや仕事の不安などで「起きた瞬間に考え事をしてしまう」ことも、ぼんやり感や不機嫌さを増す原因になります。
 というわけで、おとうさん、おかあさんの脳は朝まだ目覚めていないんだ、と思って、やさしく見守ってください。
科学的に効果があるとされる方法は:
光を浴びる
カフェインをうまく使う(コーヒーナップなど)昼寝のとき
軽い運動で血流を上げる
レム睡眠のタイミングで起きる(90分サイクルを意識)
昼寝は20分以内か90分以上
起きたら水分補給

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